「治療的な対話」の方法を身につけることを特に重視しています。単なる情報収集や病状評価のために話を聞くのではなく、患者さんと直に向き合い対話することそのものを「治療」として役立てることを、改めて体験して学んでもらえるよう、日々の診察のフィードバックを行なっています。
精神医療は「患者さんの人生を支えるための医療」であると考えています。単に病気の症状による苦痛を取り除くことを目的とするのではなく、一人の人として接し、その人の人となりや大切にしている価値観を理解し、その人特有の「より良い人生」を実現することを目指しています。そうしたたくさんの人の人生と向き合う取り組みが、私たち自身の人生にも深みや豊かさをもたらしてくれます。
多くの市中病院が連携している精神科病院と異なり、総合病院精神科での研修であるという点が挙げられます。研修医のみなさんが身近で経験するような、一般科での診療場面や救急場面で出会う精神症状について、対応の仕方を直接学ぶことができます。また、群大病院の研修プログラムでも地域の精神科病院と連携しており、午前・午後に分けて両方の診療を経験できるため、より幅広い場面で研修することができます。
大学病院ならではの、全体回診や多職種カンファレンスへの参加を通して、より専門的かつ多面的な視点から診療を見直すことも経験できます。
「ヒト」についての興味以上に「人」に惹かれるという方は、ぜひ当科へいらしてください。多くのみなさんと出会えることを楽しみにしています。