当院は群馬県内の小児患者の三次医療を担っているため、集中治療を要するような患者さんや長期入院加療を要するような慢性疾患の患者さんが多く入院されます。初期研修医の先生方にはこのような患者さんたちの診療に加わっていただき、難しい疾患へのアプローチの仕方や治療過程をじっくり学んでいただくとともに、そのような病気を持つ患者さんの気持ちやそのような子供を持つ家族への接し方なども学んでいただきたいと考えております。
小児の患者さんの中には、最初はとても重篤な状態でも成人には見られないような驚異的な回復力をみせる方をしばしば経験します。そして小児科医はそのような患者さんが月日を経て成長していく過程を見ることができます。大学病院という特性上、小児のcommon diseaseを経験できる機会は限られますが、治療にとても苦労した患者さんが元気になりその後の成長を見届けることができるのは当科の魅力です。研修医の先生方にもぜひそのような経験をしていただきたいと思います。
2年間の臨床研修ではさまざまな診療科をローテートし、医師や看護師を含めた多くの医療スタッフに出会うことになります。多くの人に出会うことで、様々な医療スタッフの考え方や医療に対する姿勢を学ぶことができるとともに、専門科に進んだ後も他科との連携を行いやすくなるのではと思います。医療は一人で行うものではなくチームで行うものです。多くの医療スタッフとの出会いはその後の医療を行う上での財産になると思います。
私も15年前に他大学卒業後に当院と研修協力病院で初期臨床研修を行いました。そして多くの人に出会い、様々なことを学びました。大学病院には研修指導に慣れた先生が多く、カルテの書き方やプレゼンテーションの仕方、患者さんへの接し方など医師としての基本を上司から丁寧に教えていただき、その時の経験が今も生きていると思います。大学病院は難しい症例も多く大変ですが、その分学ぶこともとても多いです。ぜひ皆さんにも私と同じような経験をしていただけたらと思います。お待ちしております。