群馬大学医学部附属病院臨床研修センター

群大病院の臨床/専門研修

歯科臨床研修

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プログラムの名称と期間

群馬大学医学部附属病院歯科医師臨床研修プログラム

臨床研修施設群型:050042101
 管理型臨床研修施設 群馬大学医学部附属病院
 協力型臨床研修施設 埼玉県央病院歯科・口腔外科
前橋赤十字病院歯科口腔外科
公立藤岡総合病院 歯科口腔外科
伊勢崎市民病院 歯科口腔外科
 研修協力施設 老年病研究所附属病院
研修期間は2年間とする。

歯科医師臨床研修プログラムの特色

1年次は,本学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科の外来・病棟での研修を行い,口腔外科疾患及び有病者の歯科治療について学ぶ.2年次は,本学医学部附属病院麻酔・集中治療科,協力型臨床研修施設においても研修を行い,2年間の臨床研修を通して,医学部附属病院の特徴を生かした全身管理を学ぶプログラムとする.初期研修修了後は,(社)日本口腔外科学会認定医・専門医取得を目標とする後期研修,あるいは学位取得を目標とする大学院入学など,口腔外科を専門とする歯科医師を養成する.

歯科医師臨床研修の目標

歯科医師臨床研修の目標は,社会人としての常識,良識を身につけた上で,患者中心の全人的医療を理解し,すべての歯科医師に求められる基本的な診療能力(知識,技能,倫理および態度)を習得し,生涯研修の第一歩とすることである.本学医学部附属病院における卒直後歯科臨床研修は,卒前教育で学んだ基本的な知識を駆使し,技能に習熟するとともに,それらを統合した倫理観に富んだ全人的歯科医療を提供しうる「資質の高い歯科医師の養成」ならびに「全身を診ることができる歯科医師の育成」を目標にしている.

研修プログラム責任者

研修プログラム責任者 役職:教授 氏名:横尾 聡
副研修プログラム責任者 役職:講師 氏名:小川 将

研修歯科医の指導体制

  1. 研修プログラム責任者および副研修プログラム責任者を配置し,指導歯科医との連携のもとに研修歯科医の指導を行う.
  2. 指導歯科医(臨床経験年数7年以上あるいは認定医・専門医資格を有する臨床経験年数5年以上の指導歯科医講習会受講者)は,研修管理委員会の承認を得て登録し,受け持つ研修歯科医は指導歯科医1人あたり2名以内とする.
  3. 研修歯科医の指導にあたっては臨床研修記録簿および研修歯科医手帳により,到達目標を適宜把握し,適切な指導を行うこととする.

研修管理委員会

1. 委員会構成

研修管理委員会委員長:総括責任者 齋藤 繁 (医学部附属病院長)
臨床研修センター長 池田 佳生
臨床研修副センター長 菊地 麻美
研修プログラム責任者・指導歯科医 横尾 聡 (歯科口腔・顎顔面外科 教授)
副研修プログラム責任者・指導歯科医 小川 将 (歯科口腔・顎顔面外科 病院講師)
指導歯科医 武者 篤 (重粒子線医学センター 助教)
指導歯科医 金  舞 (歯科口腔・顎顔面外科 助教)
指導歯科医 淺見 拓哉(歯科口腔・顎顔面外科 助教)
指導歯科医 山口 高広(歯科口腔・顎顔面外科 助教)
協力型(I)臨床研修施設・研修実施責任者 野原 通 (埼玉県央病院 歯科口腔外科部長)
協力型(I)臨床研修施設・研修実施責任者 栗原 淳 (前橋赤十字病院 歯科口腔外科部長)
協力型(I)臨床研修施設・研修実施責任者 伊藤 佑里子
(公立藤岡総合病院歯科口腔外科医長)
協力型(I)臨床研修施設・研修実施責任者 高山 優
(伊勢崎市民病院 歯科口腔外科主任診療部長)
協力型(II)臨床研修施設・研修実施責任者 福士 宙之
(老年病研究所附属病院 主任歯科口腔外科医長)
外部委員 森島 愛一郎 (群馬県歯科医師会専務理事)
事務部門責任者 高橋 明   (群馬大学昭和地区事務部長)

2. 委員会の主な役割

  • 研修プログラムの作成や調整など研修プログラムの総括管理.
  • 研修医の募集,研修医の研修継続の可否,研修医の処遇,研修医の健康管理.
  • 研修到達目標の達成状況の評価,研修修了時および中断時の評価.
  • 研修修了後の進路についての相談等の支援.

群馬大学医学部附属病院における臨床研修の特徴

研修期間及び研修内容

研修期間

  • 2年間
  • 1年次は群馬大学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科にて研修を行い,2年次は群馬大学歯科口腔・顎顔面外科研修(6か月),麻酔科研修(3か月),協力型(Ⅰ)臨床研修施設研修(3か月)を行う.協力型(Ⅰ)臨床研修施設は,埼玉県央病院・前橋赤十字病院・公立藤岡総合病院・伊勢崎市民病院の中から1施設を選択する.

管理型臨床研修施設

  1. 研修期間 21か月(1年次:12か月 2年次:9か月)
  2. 研修内容
    • 群馬大学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科における歯科医師としての巾広い視野に立つ一般歯科,口腔外科の研修
    • 有病者,各種感染症者・障害者,高齢者に対する歯科医療
    • 周術期(手術,放射線治療,化学療法・骨髄移植等)患者に対する口腔ケア
    • 口腔癌患者を中心とした口腔外科疾患患者の管理
    • 医学部附属病院麻酔・集中治療科における歯科及び医科麻酔科研修(2年次:3か月間)

協力型(Ⅰ)臨床臨床研修施設(2年次:3か月間,1施設を選択)

  1. 埼玉県央病院歯科・口腔外科における口腔外科診療,包括的な一般歯科診療(歯周病・歯内療法・保存修復・補綴・矯正・インプラント)に関する研修(2年次:3か月間)
  2. 前橋赤十字病院における口腔外科診療及および有病者,各種感染症者・障害者に対する歯科診療(歯周病・歯内療法・保存修復・補綴)に関する研修(2年次:3か月間)
  3. 公立藤岡総合病院歯科口腔外科における外来での口腔外科小手術・全身麻酔下での口腔外科手術の研修,口腔外科疾患入院患者の周術期管理に関する研修(2年次:3か月間)
  4. 伊勢崎市民病院歯科口腔外科における有病者歯科医療,歯性感染症,口腔外科疾患に関する研修(2年次:3か月間)

協力型(Ⅱ)臨床研修施設

老年病研究所附属病院を基盤とした老人保健施設への訪問診療(研修期間:5日間、目標症例数:2例)

麻酔科研修

2年次に本学医学部附属病院麻酔・集中治療科に置いて3ヶ月間の研修を行う。研修内容は,厚生労働省より通達された「歯科医師の医科麻酔科研修ガイドライン(新)」(平成20年6月9日付医政医発第0609002号・医政歯発第0609001号)に基づき,歯科医療の質および安全性の向上を図るため歯科医師が麻酔科蘇生科において研修を行う際のプログラムとする.なお,本プログラムは,群馬大学医学部初期臨床研修プログラムに準じた内容であるが,原則として前半2か月は歯科および口腔外科疾患患者に対して適用し,所定の方式により必要事項登録後,後半1か月はガイドライン記載の研修項目と水準にしたがい医科麻酔科研修を行うものとする.

(1)研修目標

【一般目標】

手術を受ける患者の周術期管理を適切・安全に行うため,日常の診療で頻繁に遭遇する疾患に関する幅広い知識を修得する.また,生命や機能的予後に関わるような,緊急を要する病態に適格に即応できる診断・処置能力を養う.

【行動目標】

  1. 手術を受ける患者の麻酔管理を通じて,呼吸管理,循環管理,疼痛治療などを主体とした麻酔と集中治療・救急医療の基本手技を修得する.
  2. 各種疾患の病態・重症度を正確に把握し,麻酔管理上の問題点を指摘できる能力を身につける.
  3. 患者および家族のニーズに配慮する態度を身につける.
  4. 患者のバイタル・サインの把握ができる.
  5. 各種モニター(心電図,パルスオキシメーター,カプノメーター,心エコー,筋弛緩モニター等)を正しく装着し,測定値を正確に評価できる.
  6. 必要に応じて諸検査(動脈血ガス分析,血液生化学検査,単純X線撮影)を実施し,結果の評価ができる.
  7. 気道確保および呼吸管理(マスク換気法や気管挿管手技などによる人工呼吸手技)ができる.
  8. 輸液・輸血,基本的な麻酔薬および心血管作動薬を適切に使用できる.
  9. 注射薬投与や輸血の安全確認法を理解し,実践できる.
  10. 指導医に適切なタイミングで相談できる.
  11. 術者,看護師と適切なコミュニケーションがとれる.

(2)研修方法

研修期間

2年次に3か月の研修を行う.

方法

研修開始時の講義と実技指導講習会に出席する.

  1. 手術を受ける歯科および口腔外科疾患患者の麻酔担当医として,指導医の助言・助力を得ながら診療にあたる.
  2. 麻酔シミュレータ機器を利用し,救急医療と麻酔法の基本手技を修得する.
  3. 毎朝術前カンファレンスに参加し,担当症例のプレゼンテーションを行う.
  4. 麻酔担当患者が決まった場合,麻酔前日午後に術前回診を行う.
  5. 症例検討会(月1-2回)に参加する.
  6. 重要な論文を抄読する会(週1回)に参加する.
  7. 研修歯科医勉強会(週1回)に参加する.

臨床研修記録・臨床研修歯科医手帳について

研修歯科医は,大学附属病院指定の臨床研修歯科医手帳に研修内容を記録し,1年次および2年次の終了時期(1月末日を予定)に,ケースカード,レポートとともに歯科医師臨床研修委員会へ提出すること.
研修記録の記載には指導歯科医の指示にしたがって,誤りのないように注意すること.
今後,この臨床研修プログラムをより良いものにするため,各自が記載した各研修項目の到達度を参考にし,内容の追加・変更していくことを考えている.そのため,臨床研修内容の自己評価,指導歯科医による評価は非常に重要な意味をもつ.また,追加すべきと考えられる研修項目があれば,余白等に記載すること.

研修項目の評価について

歯科医師臨床研修委員会において研修歯科医の自己評価および指導歯科医による評価,また多職種による評価に基づき各到達目標の到達度を見極める.
基本的診療業務の目標達成の基準として定められた必要な症例数以上を経験していることが望ましい.ただし,不足の場合には会議にて総合的に判定する.
歯科医師法に定める修了認定は,2年目終了時に,上記の評価に基づき,研修管理委員会において修了の可否の判断を行い,修了したと認めるときは,臨床研修修了証を交付する.

評価判定の項目

  • 1.経験症例数
  • 2.研修歯科医による臨床技能および歯科医師としての適正の評価
  • 3.指導歯科医による臨床技能および歯科医師としての適正の評価
  • 4.多職種による歯科医師としての適正の評価
  • 5.レポート
  • 6.セミナー等への出席状況

1.2.3.4.5.6.は臨床研修歯科医手帳により管理する。
4.の評価者は、医師、看護師、歯科衛生士、歯科技工士の職種とする。

修了判定を行う基準

  • 1.経験症例数が必要症例数を上回ること。
  • 2.自己評価に関する項目が全て記載されていること。
  • 3.5段階中3以上の評価であること。
  • 4.評価者の評価を平均し、5段階中3以上の評価であること。
  • 5.全てのレポートが提出されていること。
  • 6.全てのセミナーに出席していること。

自己研修記録について

本臨床研修歯科医手帳とは別に,研修歯科医は各自で自己研修記録ノートを作成すること.日々経験した症例や項目について記録し,毎日指導医のチェックを受けること.ノートの形式,記載法は限定しない.

学会・研究会入会、出席および発表について

研修歯科医は,日本口腔外科学会,群馬県歯科医学会等へ入会すること.その他「学会出席チェックリスト」に掲げる学会の中で,興味ある学会への入会を勧める.
また,各学会,研究会へは積極的に出席し,歯科・口腔外科医療に関する最新の知見を習得するよう努めること.
さらに,1回以上の学会発表,1編以上の論文発表を目標とする.

歯科医師臨床研修の到達目標

A. 歯科医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)を身につける.

    1. 社会的使命と公衆衛生への寄与
      社会的使命を自覚し,説明責任を果たしつつ,社会の変遷に配慮した公正な医療の提供及び公衆衛生の向上に努める.
    2. 利他的な態度
      患者の苦痛や不安の軽減と福利の向上を最優先するとともにQOLに配慮し,患者の価値観や自己決定権を尊重する.
    3. 人間性の尊重
      患者や家族の多様な価値観,感情,知識に配慮し,尊敬の念と思いやりの心を持って接する.
    4. 自らを高める姿勢
      自らの言動及び医療の内容を省察し,常に資質・能力の向上に努める.

B. 身につけるべき資質・能力

  1. 医学・医療における倫理性
    診療,研究,教育に関する倫理的な問題を認識し,適切に行動する.

    1.  人間の尊厳を守り,生命の不可侵性を尊重する.
    2.  患者のプライバシーに配慮し,守秘義務を果たす.
    3.  倫理的ジレンマを認識し,相互尊重に基づき対応する.
    4.  利益相反を認識し,管理方針に準拠して対応する.
    5.  診療,研究,教育の透明性を確保し,不正行為の防止に努める.
  2. 歯科医療の質と安全の管理
    患者にとって良質かつ安全な医療を提供し,医療従事者の安全性にも配慮する.

    1. 医療の質と患者安全の重要性を理解し,それらの評価・改善に努める.
    2. 日常業務の一環として,報告・連絡・相談を実践する.
    3. 医療事故等の予防と事後の対応を行う.
    4. 歯科診療の特性を踏まえた院内感染対策について理解し,実践する.
    5. 医療従事者の健康管理(予防接種や針刺し事故への対応を含む.)を理解し,自らの健康管理に努める.
  3. 医学知識と問題対応能力
    最新の医学及び医療に関する知識を獲得し,自らが直面する診療上の問題について,科学的根拠に経験を加味して解決を図る.

    1. 頻度の高い疾患について,適切な臨床推論のプロセスを経て,鑑別診断と初期対応を行う.
    2. 患者情報を収集し,最新の医学的知見に基づいて,患者の意向や生活の質に配慮した臨床決断を行う.
    3. 保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画を立案し,実行する.
    4. 高度な専門医療を要する場合には適切に連携する.
  4. 診療技能と患者ケア
    臨床技能を磨き,患者の苦痛や不安,考え・意向に配慮した診療を行う.

    1. 患者の健康状態に関する情報を,心理・社会的側面を含めて,効果的かつ安全に収集する.
    2. 診察・検査の結果を踏まえ,一口腔単位の診療計画を作成する.
    3. 患者の状態やライフステージに合わせた,最適な治療を安全に実施する.
    4. 診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を,適切かつ遅滞なく作成する.
  5. コミュニケーション能力
    患者の心理・社会的背景を踏まえて,患者や家族と良好な関係性を築く.

    1. 適切な言葉遣い,礼儀正しい態度,身だしなみで患者や家族に接する.
    2. 患者や家族にとって必要な情報を整理し,分かりやすい言葉で説明して,患者の主体的な意思決定を支援する.
    3. 患者や家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する.
  6. チーム医療の実践
    医療従事者をはじめ,患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し,連携を図る.

    1. 歯科医療の提供にあたり,歯科衛生士,歯科技工士の役割を理解し,連携を図る.
    2. 多職種が連携し,チーム医療を提供するにあたり,医療を提供する組織やチームの目的,チームの各構成員の役割を理解する.
    3. 医療チームにおいて各構成員と情報を共有し,連携を図る.
  7. 社会における歯科医療の実践
    医療の持つ社会的側面の重要性を踏まえ,各種医療制度・システムを理解し,地域社会に貢献する.

    1. 健康保険を含む保健医療に関する法規・制度の目的と仕組みを理解する. 地域の健康問題やニーズ把握など,公衆衛生活動を理解する.
    2. 予防医療・保健・健康増進に努める.
    3. 地域包括ケアシステムを理解し,その推進に貢献する.
    4. 災害や感染症パンデミックなどの非日常的な医療需要について理解する.
  8. 科学的探究
    医学及び医療における科学的アプローチを理解し,学術活動を通じて,医学及び医療の発展に寄与する.

    1. 医療上の疑問点に対応する能力を身に付ける.
    2. 科学的研究方法を理解し,活用する.
    3. 臨床研究や治験の意義を理解する.
  9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
    医療の質の向上のために省察し,他の歯科医師・医療者と共に研鑽しながら,後進の育成にも携わり,生涯にわたって自律的に学び続ける.

    1. 急速に変化・発展する医学知識・技術の吸収に努める.
    2. 同僚,後輩,歯科医師以外の医療職と互いに教え,学びあう.
    3. 国内外の政策や医学及び医療の最新動向(薬剤耐性菌等を含む.)を把握する.

 

C. 基本的診療業務

1.基本的診療能力等

(1)基本的診察・検査・診断・診療計画
<研修内容:初診患者に対して1.〜6.までを一連で実施する.(20症例)>

    1. 患者の心理的・社会的背景を考慮した上で適切に医療面接を実施する.
      (研修内容:初診時医療面接,再診時医療面接)
    2. 全身状態を考慮した上で,顎顔面及び口腔内の基本的な診察を実施し,診察所見を解釈する.
      (研修内容:口腔内診察,頸部リンパ節触診,頭頸部診察,病態写真撮影,診察所見の解釈)
    3. 診察所見に応じた適切な検査を選択,実施し,検査結果を解釈する.
      (研修内容:血液検査,一般尿検査,細菌検査,単純X線検査,CT検査,MRI検査,エックス線検査,咬合検査,咀嚼能力検査,歯周組織検査,PET検査,検査所見の解釈)
    4. 病歴聴取,診察所見および検査結果に基づいて歯科疾患の診断を行う.
      (研修内容:1.〜3.の結果を基に診断を行い,指導歯科医にプレゼンテーションを行う)
    5. 診断結果に基づき,患者の状況,状態を総合的に考慮した上で,考え得る様々な一口腔単位の診療計画を検討し,立案する.
      (研修内容:診療計画を立案し,カンファレンスでプレゼンテーションを行う)
    6. 必要な情報を整理した上で,わかりやすい言葉で十分な説明を行い,患者および家族の意思決定を確認する.
      (研修内容:患者への病状説明,インフォームドコンセント,同意書の取得)

    (2)基本的臨床技能等

      1. 歯科疾患を予防するための口腔衛生指導,基本的な手技を実践する.(10症例)
        (研修内容:ブラッシング指導)
      2. 一般的な歯科疾患に対応するために必要となる基本的な治療および管理を実践する.(合計51症例)
        • a.歯の硬組織疾患(7症例)
          (研修内容:う蝕に対するコンポジットレジン修復,インレー修復)
        • b.歯髄疾患(7症例)
          (研修内容:歯髄保存処置,抜髄,感染根管処置)
        • c.歯周病(10症例)
          (研修内容:歯周基本検査,スケーリング
        • d.口腔外科疾患 (20症例)
          (研修内容:消炎処置,抜歯を含めた口腔外科小手術,外傷に対する応急処置)
        • e.歯質と歯の欠損(4症例)
          (研修内容:クラウン修復,ブリッジ作製義歯作製)
        • f.口腔機能の発達不全,口腔機能の低下(3例)
          (研修内容:高齢者の嚥下機能検査,小児の口腔機能発達不全検査)
      3. 基本的な応急処置を実践する.(10症例)
        (研修内容:疼痛,出血,外傷,補綴物脱離,義歯破損への対応)
      4. 歯科診療を安全に行うために必要なバイタルサインを観察し,全身状態を評価する.(3症例)
        (研修内容:担当患者の診療に必要なバイタルサインを測定し,全身状態を評価する.)
      5. 診療に関する記録や文書(診療録,処方箋,歯科技工指示書等)を作成する.(10症例)
        (研修内容:診療録,処方箋,技工指示書を作成する)
      6. 医療事故の予防に関する基本的な対策について理解し,実践する.(2症例)
        (研修内容:担当患者に起こりうる医療事故に対してリスクマネジメントを行い,レポートを作成)

    (3)患者管理

      1. 歯科治療上問題となる全身的な疾患,服用薬剤等について説明する.(3症例)
        (研修内容:併存疾患および服用薬剤における注意点を患者に説明する)
      2. 患者の医療情報等について必要に応じて主治医等と診療情報を共有する.(3症例)
        (研修内容:診療情報提供書を作成し、主治医と医療情報を共有する)
      3. 全身状態に配慮が必要な患者に対し,歯科治療中にバイタルサインのモニタリングを行う.(3症例)
        (研修内容:担当患者の診療中に必要なバイタルサインをモニタリングする)
      4. 歯科診療時の主な併発症や偶発症への基本的な対応法を実践する.(3症例)
        (研修内容:併発症や偶発症への対応を行う)
      5. 入院患者に対し患者の状態に応じた基本的な術前・術後管理及び療養上の管理を実践する.(3症例)
        (研修内容:入院患者に療養上の留意事項を説明し,口腔外科周術期管理を行う)

    (4)患者の状態に応じた歯科医療の提供

      1. 妊娠期,乳幼児期,学齢期,成人期,高齢期の患者に対し,各ライフステージに応じた歯科疾患の基本的な予防管理,口腔機能管理について理解し,実践する.(5症例)
        (研修内容:各ライフステージに応じた口腔機能管理計画を立案する)
      2. 各ライフステージおよび全身状態に応じた歯科医療を実践する.(5症例)
        (研修内容:各ライフステージ,全身状態に応じた口腔機能管理を行う)

    2.歯科医療に関連する連携と制度の理解等

    (1)歯科専門職の連携

      1. 歯科衛生士の役割を理解し,予防処置や口腔衛生管理等の際に連携を図る.(10症例)
        (研修内容:歯科衛生士と連携して周術期口腔機能管理を行う)
      2. 歯科技工士の役割を理解し,適切に歯科技工指示書を作成するとともに,必要に応じて連携を図る.(2症例)
        (研修内容:歯科技工指示書を作成し,歯科技工士と適切に連携する)
      3. 多職種によるチーム医療について,その目的,各職種の役割を理解した上で,歯科専門職の役割を理解し説明する.(2症例)
        (研修内容:院内多職種NST回診,カンファレンスに参加する)

    (2)多職種連携,地域医療

      1. 地域包括ケアシステムについて理解し説明する.
        (研修内容:院内の地域連携に関する講習会を受講し,地域包括ケアシステムについて理解する)
      2. 地域包括ケアシステムにおける歯科医療の役割を説明する.
        (研修内容:訪問歯科診療についてレポートを作成する)
      3. 在宅療養患者や介護施設等の入所者に対する介護関係職種が関わる多職種チームについて,チームの目的を理解し参加する.(2症例)
        (研修内容:介護施設への訪問歯科診療へ参加する)
      4. 訪問歯科診療の実施にあたり,患者に関わる医療・介護関係職種の役割を理解し,連携する.(2症例)
        (研修内容:医療・介護関係職種と連携して訪問歯科診療を行う)
      5. がん患者等の周術期等口腔機能管理において,その目的および各専門職の役割を理解した上で,多職種によるチーム医療に参加し,基本的な口腔機能管理を経験する.(5症例)
        (研修内容:周術期口腔機能管理チームの診療に参加する)
      6. 歯科専門職が関与する多職種チーム(例えば栄養サポートチーム,摂食嚥下リ ハビリテーションチーム,口腔ケアチーム等)について,その目的及び各専門職の 役割を理解した上で,チーム医療に参加し,関係者と連携する.(2症例)
        (研修内容:院内多職種NST回診,カンファレンスに参加する)

    (3)地域保健

      1. 地域の保健・福祉の関係機関,関係職種を理解し説明する.
        (研修内容:地域保健に関する講義を受講し,レポートを作成する)
      2. 保健所等における地域歯科保健活動を理解し説明する.
        (研修内容:地域歯科保健活動に関する講義を受講し,レポートを作成する)
      3. 歯科健診を経験し,地域住民に対する健康教育を経験する.
        (研修内容:附属幼稚園・小学校・中学校の歯科健診に参加する)

    (4)歯科医療提供に関連する制度の理解

      1. 医療法や歯科医師法をはじめとする医療に関する法規および関連する制度の目的と仕組みを理解し,説明する.
        (研修内容:医療法,歯科医師法に関する講義を受講する)
      2. 医療保険制度を理解し,適切な保険診療を実践する.
        (研修内容:保険診療に関する講習会に参加して、適切な保険診療を実践する.)
      3. 介護保険制度の目的と仕組みを理解し説明する.
        (研修内容:介護保険制度に関する講習会に参加する)

    症例数

    1. 到達目標達成に必要な症例数    合計 156症例
    2. 経験することを目標とする症例数  合計 200症例